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​「Sphinx −人間の台座」

ギャルリー東京ユマニテ
​2024 2.5-2.24

スフィンクスは、絵画や彫刻において、これまで多くの作家によって表現されてきた存在である。今回私が取り組んだのは、そのスフィンクス像そのものではなく、「スフィンクスのための台座」をつくることだった。

ギリシア神話において、スフィンクスはフェキオン山に座し、通りかかる旅人に謎を投げかけ、その答えに窮した者たちを喰い殺したと伝えられています。答えられなかった旅人たちの骸は、きっとその山の土の中に幾重にも埋もれていたことでしょう。

私はそのフェキオン山から、あえて台座を切り出すという想像をめぐらせました。スフィンクスを支えるその台座は、多くの死者の記憶を抱えた地層から成り立っています。そこに据えられるべき「答え」とは何か――スフィンクスの問い、「朝は四本足、昼は二本足、夕には三本足になるものは何か」に対する答え、「人間」。その言葉は、この重みを支えうるのか。

わたしの制作は、その問いかけの地平に、ひとつの形を置こうとする試みである。

撮影:間庭 裕基 ​photo:MANIWA Yuki

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