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『そこにも苦がある』
「Fountain」
目黒区美術館ギャラリー
2023 5.3-5.7
共苦は可能か?をテーマに開催されたグループ展。
泉に集う人々の共同性に注目し、墨と蝋を用いて制作したドローイングを中心としたインスタレーション。泉に集う人々は泉から多くの恵を亨受する。飲み水を汲んだり、沐浴をしたり泉は日々の生活にかけがえのない場である。しかし、一旦泉が枯渇すれば共同体はたちまち破壊されてしまう。生活はもとより喜びや悲しみの記憶も遠い彼方へと消え去ってしまう。
溶かした蝋で紙に線を引く。
その上から鋭利な金属で引っかきながら再び線を引く。
そしてさらにその上から墨で線を引く。
蝋は墨を弾くが、金属片で引かれた溝には墨が染みていく。全ての線は少し重なりながら少しずれる。
私にとって共苦とはこういうことだと思う。
苦しむ他者と一体になることは不可能かもしれない。しかし苦しみが私に染み込みながら時に弾き、少しずれてそばに寄り添うことは可能だと。
2023
紙、蝋、墨、バスタブ、木材、等
paper, Japanese wax, Japanese ink, bathtub, timber
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